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かれは人間に産まれた
気づいたときには人間だった
どうやら人間の雄にうまれた
どうして人間に生まれてきたのかは考えたところで仕方のないことだから考えるのをやめた
世界のことがわからなくて よくわかんないけどそうなってる、ことについては余計わからなくてたくさん考えた
折り合いがつくところまで考えた
生まれてきてしまったのだからそれからどうするのかを考えた
ひとつひとつの選択を真摯に考えてきた
世界は外にあるんだけどその外も結局は内であってぜんぶじぶんの中身だった
わからないことだらけの世界はわからないことだらけのじぶんだった
いまもにらめっこは続いてる
いつの間にかかれは世界そのものになった